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コラム

自然葬のための遺言と葬送ノートの準備

2016年05月18日 カテゴリー:遺産相続

はじめに

自分の死後、確実に自然葬(遺灰を土や海に還す葬送のしかた)を実施してもらうには、 どのようにしておいたらいいでしょうかときかれることがよくあります。 さらに葬式についても自分流にしたいんだけど遺族に確実にやってもらうにはどうしたらいいでしょうかという質問もあります。 自然葬にしたいという方の中には、業者まかせの葬式に疑問をもっていらっしゃる方も多いのです。

自分の死後、せめて自然葬が終わるまで、自分の葬送を見ておきたいなあ。
死んでしまった今、どうしようもない。気の小さい息子や娘が心配だ。

式はしないで密葬にしてほしい、
遺灰は墓に入れず自然葬にすることも頼んでおいた。

あ、やっぱり息子が、うるさい叔母さんにかみつかれている。
町内会長も世間体を考えろと言っている。
子と娘がおろおろしだしたゾ。困った、困った。

 

こんなことにならないようにするには、どうしたらよいかです。

 

結論から述べましょう。
遺族に確実に自然葬を実施してもらい、できる限り自分流の葬式をしてもらうには、
①遺族の中に1人以上の賛同者を得る、
②「遺言」を作成し、「祖先の祭祀の主宰者」「葬儀の主宰者」と「遺言執行者」を指定する、
③葬式の方法・手順を記した「葬送ノート」を作成する、
④できれば、必要なことだけやってくれる良心的な葬儀業者(お棺を用意し、遺体を火葬場まで運んでくれる業者)と契約しておく、
ことが大切です。

 

遺言のポイント

では、なぜ「遺言」や「葬送ノート」などが大切なのでしょうか。

(1)葬式は、遺族が中心になって行うのが本当ですが、会社が仕切ったり、業者が切り回したりする場合も多く、地域によっては、町内会が葬式を仕切るとこ ろもあるようです。悲しみで気が動転しているうえに、葬式のやり方について不勉強で慣れていません。かつて見聞きした葬送のやり方が思い浮かぶ中、親戚・ ご近所・勤務先・お寺などの「世間さま」のプレッシャーを感じていくことになります。

(2)従来の葬送は一般的に、二段階で行なわれてきました。 第一段階通夜・葬儀・告別式を行い、この中で遺体を火葬に付し骨揚げをする。 第二段階遺骨を墓に入れる。寺の納骨堂に入れる場合もある。

(3) 第一段階の葬式は、仏式・神式・キリスト教式、無宗教など、一般的には亡くなった人の宗教に基づいて行なわれてきました。 どの形式にしろ、愛する人の死を悲しむゆとりもないほど、短期間(死後3~4日の間)のうちにやらなければなりません。葬式のやり方に精通していない遺族 は、いきおい葬儀業者まかせとなります。それでも、通夜・葬式の通知先のリストアップ、近所へのあいさつ、席順、弔辞の依頼、火葬場へ行く人の確認など、 遺族がやらねばならないことは多いものです。
そんな中、葬儀業者が「お宅ほどの格式があるお家はこのぐらいのものはやりませんと」と言えばそんなものかと流されてしまいます。もの知りの親族が「お寺 には○○万円は包まないといかん。料理もこのくらいでないと・・・」と口出ししてくれば、迷っている時間的余裕もありません。
葬式が終わり親族が帰った後、香典と請求書を見くらべてみてため息がでます。疲れた頭の中に、葬式はやらなければいけないものなのかという根源的な疑問が わいてくることもあります。金ばかりかかって心がこもらないうえ、遺族の悲しみなどそっちのけで、と不満がつのります。
葬式の積極的意義とは何か。故人と親しかった人たちに、死を知ってもらいお別れをしてもらう葬式としての意義です。また、遺族が今後もお世話になっていく かもしれない方たちに、今後ともよろしくお願いしますという「あいさつの儀式」という意義もあるでしょう。
従来の葬式に対する疑問や不満は、遺族が日ごろから葬式のやり方について考えていなかったことにも原因があります。遺族が主体的に取りしきり、予算も決め て必要なことを行うなら、不満は少なくなります。二番目の原因は、人の死から葬式までの期間が短すぎることでしょう。
これらの原因を取り除いて、別れの儀式を実りあるものにするにはどうしたらよいでしょうか。
渥美清さんや丸山真男さんは、「密葬にして、遺族が落ち着いてからお別れの会を催す」という方法をとられました。この方法は、従来の葬式のもつ積極的意義を生かしつつ、従来の葬式の期間が短すぎるという欠点を克服する方法だと思います。
遺族が、葬式、密葬、お別れの会のやり方などを勉強しておくにはどうすればよいか。自分の死と向き合い、死をみつめることです。
自然葬はもとより葬儀のやり方も、これまでの自分の生き方にふさわしいものにするにはどうしたらいいか。自分の葬送をプロデュースしたいあなた自身が自分の「葬送ノート」を書くことです。
そして遺言で、あなたの思いを理解してくれる者を「葬儀の主宰者」(喪主)に指定しておきましょう。理解者は、あなたの死後、確実にあなたの望んだ葬儀や お別れの会をしてくれることでしょう。喪主に誰がなるかの争いを防ぐ効果もあります。遺言や葬送ノートは、自分流の葬送を確実に実施してもらうためのマ ニュアルになります。既成概念にとらわれた親戚やご近所、勤務先の方々に対する「水戸黄門の印籠」の役割も果たします。

(4) 第二段階は墓です。
10年ほど前まで、墓は葬送の必需品と考えられていました。 なぜなら、一般はもとより法律家のほとんども、遺骨を骨に納めず山や海に撒くことは、「墓地、埋葬等に関する法律」に違反し、刑法190条の「遺骨遺棄 罪」になると解釈してきたからです。 また、従来の墓は○○家の墓という家制度を色濃く残存するものでした。そのため、さまざまな不安が生じていました。一人娘が結婚して異なる氏(姓)を名乗 ることになったが墓は承継できるか。子どもがいない場合墓はどうなっていくのか。シングル(独身)だと墓を購入しにくいときいたが、墓がないと私の遺骨は どうなるんだろうか、等々。これらの解決策として、共同墓をつくったり、○○家ではなく「希望」などという文字を墓石に刻む方法がとられるようになりまし た。 しかし、墓を求める限り、墓地造成のための環境破壊、霊園の経営が悪化した場合の不安、管理費を支払う人がいなくなった場合の不安などはぬぐいきれませ ん。何よりも「墓にとじこめられたくない。自然に還りたい」という思いが達成されません。

これらの問題を一挙に解決する道をはっきりと示したのは、安田睦彦会長を先頭とする「葬送の自由をすすめる会」です。1991年10月、「葬送の自由をす すめる会」が相模灘で行った自然葬(遺骨を粉にして海や山に撒く)に対し、法務省は「刑法190条(遺骨埋葬罪)の規定は社会習俗としての宗教的感情を保 護するのが目的だから、葬送のための祭祀の1つとして、節度をもって行われる限り問題ではない」という趣旨の見解を示しました。関連するもう1つの法律 「墓地・埋葬等に関する法律」(墓埋法)について、厚生省は「墓埋法はもともと土葬を対象にしていて、遺灰を海や山に撒く葬法は想定しておらず、対象外。 自然葬を禁じた規定ではない」とコメントしました。したがって、火葬した遺骨を骨だとわからないくらいに細かく砕き、他人の迷惑にならないように海や山に 撒く自然葬は違法ではないという会の主張の正当性が裏づけられたのです。 しかし、遺族に自然葬をやってもらおうとすると、自然葬のやり方に精通していない遺族に手順を示し、うるさい親戚に対する「水戸黄門の印籠」になりうるも のが必要です。自分の「埋葬ノート」は、自然葬を行ううえでも必要になってきます。 さらに、自然葬に反対する者と遺骨の取りあいになったりすることを防止するため、きちんとした「遺言」を作成することをおすすめします。 遺言は、遺産を誰にどのように遺贈するかを主なテーマとしていますが、自然葬を確実に実施してもらうための遺言のポイントは次の2つです。
①「祖先の祭祀の主宰者」を、自然葬に賛同してくれる人に指定しておくこと。
②遺言執行者として弁護士など法律専門家を指定しておくこと。
【注】民法897条は、系譜・祭具・墓などの祭祀財産は相続の対象外とし、第一次的には被相続人(遺言者)が指定した「祖先の祭祀主宰者」が所有権を有すると規定しています。
「祖先の祭祀主宰者」という文言は、旧憲法時代のもののようですが、決してそうではなく長子以外の者を指定してもかまいません。祖先というより遺言者個人 の祭祀主宰者といった方が現憲法下では納得できるものですが、民法上の文言なので「祖先の祭祀の主宰者」という文言を使用します。
なお、「祖先の祭祀の主宰者」(喪主)は、法律上同じではありません。葬儀やお別れ会などを行いたい場合、「葬儀の主宰者」を指定しておくこともできま す。「祖先の祭祀の主宰者」の指定は法的効力がありますが、「葬儀の主宰者」の指定には法的効力はありません。しかし、遺言に記載しておくと、事実上大き な力となります。 遺骨の所有者について、近時の判例は、「祭祀主宰者」が遺骨の所有権を有すると判断しています(最高裁平成元年7月18日家裁月報41巻10号128頁、 東京高裁判例昭和62年10月8日判例時報1254号70頁)。 自然葬に賛同してくれる人を「祖先の祭祀の主宰者」に指定しておけば、遺骨は確実に彼(彼女)が手に入れ、自然葬にしてくれることでしょう。また、遺言執 行者は、死んだあなたにかわって遺言どおりに行うことを職務とする者ですから、反対者を説得する役割を担います。 また、確実に節度をもった葬送の1つとして自然葬を行うために、「葬送の自由をすすめる会」との間で自然葬実施の委託契約を結びましょう。会による自然葬 が実施されることによって、葬送の自由についての社会的合意が一歩一歩実現していくのだと思います。

 

やらねばならないことと、やらなくていいこと

細かく見ていく前に、まず私たちの頭の中にある既成概念をもう一度とり除いておきましょう。 死亡診断書(死体検案書)を添えて「死亡届」を出すこと、「火葬許可証」をもらって火葬(埋葬)すること以外はすべてオプションです (戸籍法・墓地及び埋葬に関する法律)。オプションというのはやろうとやるまいとお気に召すまま、やる場合でもどのようにやってもよいということです。
したがって、

①通夜・葬式・告別式は行わなくても違法ではありません。自分流の形式で行ってもよしです。

②遺体を霊柩車ではなく自家用車で運ぶこともできます(ただし、法定伝染病で死亡した場合は別)。

③湯かんも必要ではありません。
病院ではアルコールなどの消毒薬を染み込ませたガーゼでふくのが通常のようです。④いわゆる死装束(白無垢で頭には天冠と呼ばれる三角の布)も必要ではありません。
一番好きなドレスや着物を上にかけてもらうというファッションでOKです。

⑤お棺は火葬場のサイズに合っていれば、木製でもダンボール製でもよしです。

⑥もちろん、遺灰を墓や寺の納骨堂におさめなくても違法ではありません。
遺灰を大地や海などに撒くことも節度をもって葬送の1つとして行われる限り違法ではありません。

 

遺言の具体例(自筆証書遺言)

今回は山本太郎さんに出演していただきます。

 

遺言書
遺言者山本太郎は、この遺言により次のとおり遺言する。

第1
1 長男山本一郎(  年  月  日生)には、次の財産を相続させる。
・・・・・・
2 長女山本奈々(  年  月  日生)には、次の財産を相続させる。
・・・・・・
3 妻山本愛(  年  月  日生)には、前記1及び2記載の財産以外の
その余の 財産すべてを相続させる。

第2  祖先の祭祀を主宰すべき者として妻山本愛を指定する。
葬儀の主宰者として妻山本愛を指定する。
遺言者の葬送については別紙の葬送ノートのとおり行い、私の遺   骨を細かく砕いて庭のハナミズキの根元に撒くこと。

第3  この遺言の遺言執行者に○○弁護士会所属弁護士○○○○を指定する。

第4  一郎も奈々も独立心にあふれ、仕事をきちんと持って人生をきりひらいていっているので、父として誇りに思っている。この遺言では、妻に法定相続分より多 く相続させることにしたが、一郎と奈々は妻と養子縁組をしているので、やがて妻の財産を承継していくことになる。争わず互いに思いやって生きていってくれ ることを切望する。
平成○○年○月○日
遺言者 山本太郎   印

 

(1)  山本太郎さんの相続関係図は次のとおり。
法定相続人は、愛、一郎、奈々の3人です。後妻と前妻の子供とは、時として相続争いをしたり遺骨のとり合いをしたりするので、山本太郎さんの場合、遺言書の作成は重要です。遺留分を侵害しないように法定相続人それぞれに遺産を相続させることにしました。 妻は自然葬に賛成してくれるので、「祖先の祭祀の主宰者」に指定します。遺言執行者には弁護士になってもらい遺産の相続や自然葬がスムーズにいくよう説得してもらいます。

(2)  遺言の内容として民法上効力を認められているのは、次のとおり。ただし、民法で認められていないことでも、書いておくと遺族が尊重し、事実上の効力を生 じることが多いものです。「葬儀の主宰者」なども民法上、効力は認められていませんが、「祖先の祭祀の主宰者」の指定とあいまって、実際には大きな力とな ります。

①財産処分
法定相続人に対し「相続させる」、法定相続人以外に対し、「遺贈する」という文言にする。
②相続分の指定または指定の委託
③遺産分割の方法の指定または指定の委託
④遺産分割の禁止
⑤相続人相互の担保責任の指定
⑥遺留分減殺方法の指定
⑦特別受益の持戻しの免除
⑧認知
⑨後見人・後見監督人の指定
⑩推定相続人の排除または取消し
⑪生命保険金受取人の変更
⑫祖先の祭祀の主宰者の指定
⑬遺言執行者の指定
⑭遺言の取消し
⑮その他、山本太郎さんの遺言第4のように遺族に対する感謝や、
このような内容の遺言とした理由を記載してもよい。

(3)  遺言の種類
遺言には次のとおり、いろいろな種類があります。
中でも、一番よく使われるのは、自筆証書遺言と公正証書遺言です。自筆証書遺言とは文字どおり自分で作る遺言です。証人もいりませんので、作りたい時に作 れます。ただし、すべて自らが書いて作らなければなりません。死亡後、家庭裁判所で検認の手続が必要です。公正証書遺言は公証人に作ってもらうもので、証 人が2人必要です。

(4)  遺言は何度でも作成できる!ただし、要式は厳格。
清水さんが亡くなりました。
「財産分けの話は早いほうがいいよ。実は、おやじはやっぱり長男の俺に全部託していってくれたんだ」と言って、長男の健一はポケットから遺言を取り出しました。それは公正証書遺言で、「すべて長男健一に相続させる」と書いてありました。
「ちょっと待ってくれよ」次男の謙二が口をはさみます。「兄貴はその遺言をもらった後、あんまりおやじのところに寄りつかなかっただろう。おやじは嘆い て、やっぱり次男の謙二は一番かわいい。親思いだった、と僕にこういうものを書いてくれたんだ」と言って取り出したのが、便せんに「遺言」と書いてあっ て、「全部、次男の謙二にやる」とあります。
「兄さんたち、ちょっと待って」長女の和子はあわてて声を出します。「お父さんが寝たきりになって、おしめを当てるようになって以来、兄さんたちはまった くお父さんに寄りつかなくなったでしょう。嫁さんたちも仕事があるとか、汚いとか、陰で言っていたのを、お父さんは知っていたのよ。そこで亡くなる3日前 に、涙を流しながら『俺は古い人間だから男の子を大事にして、女の子はあまり大事にせずきた。でも、こんな体になった時に世話をしてくれるのは実の娘なん だなあ。ありがとう。和子に全部俺の財産をやるよ』と言ってくれたのよ。でも、お父さんは字が書けない状態だったので、私はパソコンで打って、署名だけ本 人にしてもらいました。判は実印よ」

 

Q  こんなふうに何度でも遺言を作れるものなのでしょうか。
A  遺言は何度でも作成できます。何度でも作成できる遺言は、高齢者の武器として利用されることもあります。「大切に世話してくれたらおまえに多く遺産をや るように遺言を作成してあげよう。でも、遺言を作成したからといって大切にしてくれなかったら、書き直す」というわけです。

Q  健一、謙二、和子のうちの誰が持っている遺言が有効でしょうか。
A  和子さんには気の毒ですが、謙二さんのものです。
遺言が何通も出てきた場合、日付の一番新しいものが有効になります。一番新しいといってもパソコンで本文を打った自筆証書遺言は無効です。字が書けないと いう状態の場合、公正証書遺言にして下さい。健一の持っていたのは公正証書遺言で、謙二の持っていたのは自筆証書遺言ですが、種類にかかわらず日付の新し いものが有効となるのです。

 

5.葬送ノートの具体例

山本太郎の葬送ノート

第1  私が「死」に到達したら、私の葬送は次のとおり行ってほしい。
(1)  通夜・葬式は行わず、妻・子ども夫婦・孫たちだけの密葬とすること。
(2)  落ち着いたら、別れの会を催すこと。
(3)  遺灰は~の海に撒くこと(○○の木の下に撒くこと)。

第2  具体的な手順・注意点
1  妻・子どもたちへの連絡
いつも持ち歩いている手帳には、緊急時の連絡先として、妻愛と長男一郎の住所と電話番号を記載してある。病院以外で倒れたり事故にあった場合も、妻か長男一郎に連絡がいくので、よろしく頼みます。

2  密葬と火葬の手順
(1)  私が死亡してもあわてず、妻と子どもたちだけ連絡すること。うるさい親戚などには連絡しないことがポイントです。遺言執行者に知らせて、親戚等で反対する者がいる場合説得してもらって下さい。  妻や子どもたちへの勤務先へは、勤務先宛の手紙を用意しておいたので、それを提出して香典などは丁重に辞退して下さい。ご近所用の文書も用意してあるのでよろしく。
(2)  葬儀業者□□(連絡先~)に連絡して下さい。私は、生前、右葬儀業者との間で、お棺・骨壷と運送代などで金○○円~○○円という約束をしている。病院の紹介してくれる葬儀業者は、はっきり断ることがポイント。
(3)  医師に、「死亡診断書」を書いてもらう。なお、変死と見られたり、臨終に医師が立ち会えなかった場合、監察医による「死体検案書」となります。その場合、警察官から事情をきかれることもありますが、動転しないこと。
(4)  葬儀業者に、病院から自宅まで私の遺体を運んでもらって下さい。霊柩車でなく普通のバンで運ぶよう頼むことがポイントです。ひっそりと密葬をして家族で静かに別れを惜しんでほしい。近所をさわがせたくないのです。
(5)  私の遺体をいれたお棺は居間に運び、テーブルには用意しておいた写真と庭の花を飾って下さい。
(6)  死亡地の役場に「死亡診断書」を添えて「死亡届」を出します。死亡届は死んだ日から7日以内に出すことになっていますが、すぐ出して下さい。同時に火葬許可の申請書を提出して「火葬許可証」をもらいます。
(7)  最寄りの火葬場に電話をして火葬の日時を予約します。
(8)  決められた日に、葬儀業者に自宅から火葬場までお棺を運んでもらいます。この時、火葬許可証を持参して下さい。
(9)  火葬が終わったら、骨壷に骨を拾って入れます。その遺骨は自然葬を行うまで自宅に保管して下さい。
(あるいは、遺骨を拾わないというすっきりしたやり方を選ぶ方もいます。)

3  自然葬の手順
(1)  「葬送の自由をすすめる会」に連絡して自然葬実施の日時、場所、参加人数などを決定すること。その他、船のチャーターなどはすべて会がやってくれますので安心して下さい(会の連絡先電話番号03-5684-2671)。
(2)  自然葬に参加してもらいたい次の人たちに連絡して下さい。
氏名 住所 電話番号 ・・・・・・
(3)  遺骨を布に包み、上からすりこぎや木づちでたたいて遺灰にします。私はもう痛くないので安心してたたいて下さい。
(4)  自然葬実施の当日は、花は花びらだけにして撒くなど、自然を汚さないための配慮をお願いします。

4  別れの会の手順
・・・

 

この葬送ノートは民法の規定する遺言とは異なりますので、ワープロやパソコンで打ってもよしです。

遺言」と「葬送ノート」のイメージ、おわかりいただけましたか。
①遺族への思いやりとして、②葬送のマニュアルとして、③「水戸黄門の印籠」として、
大きな役割を果たしてくれることでしょう。

遺言と葬送ノートは、祭祀主宰者に指定した人と遺言執行者に預けておきます。

 

相続は、はやく相続に強い弁護士に相談して下さい。

 

ぜひ、相続に強い名古屋市(愛知・岐阜・三重)の北村法律事務所 弁護士北村明美(052-541-8111)へご連絡下さい。

 



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