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コラム

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島田紳助氏と街宣車、暴力団排除条例

2011年09月30日 カテゴリー:民事

島田紳助氏が、暴力団との交際を原因として、芸能界を引退するという記者会見を開いてから、だいぶ経った。紳助氏が暴力団と関係をもったきっかけは、番組で発言したことについて、右翼団体が街宣車でテレビ局の周りを廻るなどしたことから逃れるためであったという。

ビートたけし氏は、9月29日号の週間誌で、
「(自分も)右翼団体から街宣活動をかけられたことがあったけど、オイラは紳助と違う。ヤクザに仲介なんて頼んだことない。一人で住吉連合会の堀さんのところに行って土下座して謝ったの。その後、右翼の幹部にも会ってそれで終わりだよ」と述べている。
なかなか、たけし氏のようにやれるものではない。

なぜ紳助氏もたけし氏も、弁護士に頼んでくれないのだろうか。

弁護士ならば、街宣車は、不特定多数に聞こえるほど大きなスピーカーで繰り返し叫び続けるため、それらをビデオやボイスレコーダーで証拠化して、名誉毀損罪や業務妨害罪で告訴するなどして、警察権力に動いてもらうだろう。弁護士が、街宣活動により業務を妨害されてしまうケースは、1つや2つではないと聞いている。自分の事務所に街宣活動をかけられた弁護士は、測定器で騒音量を測るなどして、右翼団体が事務所の周りを街宣活動しないよう仮処分決定を得て闘った人もいる(民事的解決)。
また、「悪徳弁護士○○は、交通事故の被害者をいじめている…」等と街宣車でやられたが、無視して、その右翼が関わっている交通事故事件を早急に解決したら、街宣活動はパタっと止まったという経験をした弁護士もいる。

かって、元総理大臣を「ほめ殺し」した右翼団体がいたが、それとても褒めて殺すので、内容を聞けば名誉毀損罪にあたると立証できると思われる。弁護士であるから、あくまでも正攻法でいくしかない。

もっとも、弁護士は権力をもっていないので、早い解決をするには警察に動いてもらうのが1番だというつらさはある。民事不介入の警察に動いてもらうには刑事事件だということをわかってもらうことである。

ところで、不思議なのは、右翼団体の街宣活動を押さえるために、なぜヤクザに頼むことが効果的かである。種類が違う団体のように思えるが、どうしてだろう。裏で手を結んでいるものなのでしょうか。

名古屋市では、市道に放置される自動車をどうするか頭を痛めているが、数年前には街宣車が放置されていたこともあった。街宣車は、黒色の塗装などをして右翼団体名を書き、大きなスピーカーで軍歌を鳴らしていく車である。名古屋の裁判所や愛知県警本部のすぐ向かいに護国神社があるため、定期的に街宣車が何台も集結し、裁判所や警察付近を走り、騒音としか思われないような大きな音で軍歌やスローガンを叫びながら、政党の県連本部などを廻っていくのである。中を見ることはなかなかできないが、乗員は1名かせいぜい数名と思われる。おそろしげな車に見えるが、バスなどの車を改造した車である。

東京都や大阪府、愛知県など各都道府県では、4月1日から10月1日にかけて、暴力団排除条例が施行された。 昨年あたりから、これまで交わしていた事業者間の契約書に次のような条項が入ることが増えた。

「反社会勢力との取引拒絶
1 甲及び甲の親会社・子会社等の関係会社並びにそれらの役員、従業員等が、以下の反社会勢力のいずれにも該当しないこと、かつ将来にわたっても該当しないことを確約します。
2 甲が前項の規定に違反していることが判明した場合、乙は直ちに契約解除できるものとし…。  反社会勢力とは、暴力団・暴力団員・暴力団準構成員、暴力団関係企業・総会屋等・社会運動等標榜ゴロ・特殊知能暴力集団等をいう。」

そして、知り合いの元警察官が企業の顧問として再就職されるようになった。
警察官の天下り先がすごく広がったと思われる。

たけし氏は、「本当に助かる。これからは条例を盾に暴力団との交際を断れるからありがたい」と述べている。

法律的に見ると、ある集団に属している人々をその集団に属しているからという理由のみで社会的に排除し、罰則まで課すという法理はこわいなという疑問は残るけれど…