父が生きている時に書いた相続放棄するという書面は、有効ですか(愛知県Oさん)
2017年02月13日 カテゴリー:遺産相続
~弁護士北村明美(愛知・名古屋)の企業・相続ブログ~
(愛知県名古屋市T.Oさんより)
Q.私は、自宅を建てる時、父から1300万円もらいました。
その時、父は、「相続放棄をするという書面にサインしておいてくれ」と言ったので、1300万円もらいたかったため、相続放棄をするという書面に、署名押印してしまいました。
父は、昨年の5月に亡くなりました。
10年前にやった相続放棄をするという書面は、有効になってしまい、私は1円ももらえないでしょうか。
遺産は、1億5600万円あるときいています。
A.相続放棄をするという書面は、無効です。
お父さんが生きている間に、相続放棄はできません。
遺言は、ありましたか?
ないんですね。
それだったら、配偶者が2分の1、子供2人がそれぞれ4分の1ずつということになります。
お兄さんも、2000万円の贈与を受けているのですね。
そうすると、遺産は、1億5600万円に、あなたに対する特別受益1300万円と、お兄さんに対する特別受益2000万円を持ち戻して加算し、観念上は、
1億5600万円
+ 1300万円
+ 2000万円
=1億8900万円
あなたの取り分は、1億8900万円×4分の1-1300万円=3425万円
となります。
お父さんが生きている時にした相続放棄は、無効になるので、きちんと自分の法定相続分を、請求しましょう。
相続、企業問題などのご相談は、相続、企業問題に強い名古屋市(愛知・岐阜・三重)の北村法律事務所 弁護士北村明美(052-541-8111)へ。
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骨肉の相続争いを、数多く経験してきました。
弁護士を31年やってきてわかったことは、
「相続人が2人以上いれば、相続争いの可能性がある!」
ということです。
兄弟姉妹は、互いにライバルだ。
後妻側と前妻の子
本妻側と愛人の子は、必ず争いになる。
最近は後妻業どころか、32歳年下の男が78歳の資産家の女性を狙って、婚姻届を出させている事件も、手がけている。
遺言は全ての特効薬ではない。遺留分があるからだ。
「登記のために必要だから」と言われて、署名押印した書類を悪用されて、
1円ももらえなくなったという相談もある。
相続争いになりそうになったら、すぐに一度相談に来てほしい。
早ければ早いほど、良い対策を立てることができます。
ブック「女の遺産相続」(NTT出版)著者:弁護士北村明美