兄に、「父の遺産は、僕が生前に全部もらったから、もうないよ」と言われました。(岐阜県Oさん)
2017年01月18日 カテゴリー:遺産相続
~弁護士北村明美(愛知・名古屋)の企業・相続ブログ~
(岐阜県多治見市在住T.Oさんより)
Q.父が、去年の11月18日に亡くなりました。
私と妹は、いくらかの遺産がもらえるかな、と期待していたのですが、兄は、「生前に全部自分がもらったから、遺産はないよ。お父さんは、僕にあとを継いでいくように、と言っていたので、生きているうちに僕に全部くれたんだ。」と、威張ったように言いました。
私と妹は、「えっ」という思いと「そんな、ひど過ぎる」という思いが錯綜して、頭が真っ白になりました。
私と妹には、父の財産をもらう権利は、全くないのでしょうか。
納得できません。
A.法律は、そんなに不公平になってはいません。
あなたと妹さんは、相続する権利を失ってはいません。
お父さんが亡くなった時点での遺産はゼロですが、お兄さんに生前贈与した財産の価額を加えたものを、相続財産とみなすのです。
そして、法定相続分を請求することができるのです。
仮に、お父さんがお兄さんに生前贈与したものの価額が9000万円だとすると、あなたと妹さんは、法定相続分3分の1ずつの請求、つまり、3000万円ずつ請求することができます。
お兄さんは、特別受益者(民法903条)なのです。
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後妻側と前妻の子
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ブック「女の遺産相続」(NTT出版)著者:弁護士北村明美