遺産相続で、土地の評価がわかりません。不動産鑑定はした方がいいですか(愛知県Hさん)
2016年12月22日 カテゴリー:遺産相続
~弁護士北村明美(愛知・名古屋)の企業・相続ブログ~
(愛知県名古屋市J.Hさんより)
Q.父の遺産は、不動産がほとんどで、10筆くらいあります。
子供ら3人で、どのように分けるかで、大いに揉めています。
それは、土地の評価がよくわからないからです。
長男が住んで入るマンションは、一棟ごと父のもので、9階建ての立派なマンションですし、敷地も200坪以上あります。
このマンションは、9階部分に長男夫婦と父親が住み、3階から8階までは住居で貸し、1階はブティックに貸し、2階は歯医者に貸しています。
家賃も年2000万円はくだらないと思うのです。
名古屋市内の便利なところにあるので、一番高いところだと思うのですが、長男は、「広い土地は安い」とか、「四角くない自宅の土地は安い評価になる」と言って譲りません。
二男は、自分の家が建っている土地は安いところだと言い張ります。
私は三男ですが、私だけは父の土地に家を建ててはいません。
土地やマンション(収益物件)について、鑑定をした方がいいでしょうか。
A.鑑定というのは、とても重要なものです。
土地建物について、いくらの評価であるか相続人が争った場合、最終的には鑑定してもらい、評価額を定めて遺産分割をするという流れになります。
鑑定費用があまり高い場合は、鑑定をせず固定資産税評価額で我慢するということもありますが、あなたのケースでは、鑑定した方が、あなたの取り分は多くなると思います。
9階建ての一棟マンションで、名古屋市内の便利なところにあり、1階はブティック、2階は歯医者であれば、家賃収入もかなりのものです。
収益物件として評価してもらった方が、ずっと高くなります。
鑑定をするのであれば、家庭裁判所に調停を申立てて、最終的な段階で家庭裁判所が選任した鑑定人でやってもらった方がいいと思います。
なぜなら、あなたのお金で個人的に鑑定士を頼んで、鑑定結果を出したとしても、長男や二男は結果に対し不服を言うことは確実だからです。
だから、裁判所が選任した鑑定人でやった方が、費用が無駄になりません。
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骨肉の相続争いを、数多く経験してきました。
弁護士を31年やってきてわかったことは、
「相続人が2人以上いれば、相続争いの可能性がある!」
ということです。
兄弟姉妹は、互いにライバルだ。
後妻側と前妻の子
本妻側と愛人の子は、必ず争いになる。
最近は後妻業どころか、32歳年下の男が78歳の資産家の女性を狙って、婚姻届を出させている事件も、手がけている。
遺言は全ての特効薬ではない。遺留分があるからだ。
「登記のために必要だから」と言われて、署名押印した書類を悪用されて、
1円ももらえなくなったという相談もある。
相続争いになりそうになったら、すぐに一度相談に来てほしい。
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ブック「女の遺産相続」(NTT出版)著者:弁護士北村明美