寄与分は認められるか②
2016年09月09日 カテゴリー:遺産相続
~弁護士北村明美(名古屋)の相続コラム~
Q.私と妻子は、年老いた母親と同居して、母親の食事作りをしたり、病院へ連れて行ったりして、世話をしてきました。
母親は、年金から月5万円くれましたが、それ以外は1円もくれません。
母親が亡くなって、相続の話合いのとき、何も世話をしなかった弟や妹が、「今は平等だ。」と言い張り、私に多くくれようとはしません。
そんなことは、通るのでしょうか。(名古屋市S.T)
A.弟さんや妹さんの言うことは、理不尽ですよね。
しかし、民法は、昭和23年から兄弟を平等に扱っています。
ご兄弟が3人なのですね。お父さんは、もう亡くなっておられるのですね。
そうすると、法定相続分は、長男であっても3分の1です。
同居して世話をしたことが、寄与分にあたるかどうかですが、特別寄与分にはあたらないと、裁判官に判断されてしまうことがあります。
次のような審判例があります。
「同居している者としての親族の相互扶助の範囲を超えるものであるとはいえない上、これによって、被相続人が特別にその財産の減少を免れたことを認めるに足りる資料は見当たらない。そうすると、特別の寄与分があったとみることはできない。」(平成18年3月22日大阪家裁堺支部審判)
世話をしているなら、お元気なうちにぜひ遺言を作ってもらいましょう。
このようなご相談がありましたら、相続、企業問題に強い名古屋市(愛知・岐阜・三重)の北村法律事務所 弁護士北村明美(052-541-8111)へ。
ぜひ、ご連絡下さい。
相続は、はやく相続に強い弁護士に相談して下さい。
骨肉の相続争いを、数多く経験してきました。
弁護士を31年やってきてわかったことは、
「相続人が2人以上いれば、相続争いの可能性がある!」
ということです。
兄弟姉妹は、互いにライバルだ。
後妻側と前妻の子
本妻側と愛人の子は、必ず争いになる。
最近は後妻業どころか、32歳年下の男が78歳の資産家の女性を狙って、婚姻届を出させている事件も、手がけている。
遺言は全ての特効薬ではない。遺留分があるからだ。
「登記のために必要だから」と言われて、署名押印した書類を悪用されて、
1円ももらえなくなったという相談もある。
相続争いになりそうになったら、すぐに一度相談に来てほしい。
早ければ早いほど、良い対策を立てることができます。
ブック「女の遺産相続」(NTT出版)著者:弁護士北村明美