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コラム

オリンパス損失隠し―東京地裁、旧経営陣に590億円賠償命令―

2017年05月19日 カテゴリー:企業問題

~弁護士北村明美(名古屋)の企業問題コラム~

 

オリンパスの巨額損失隠し事件を巡り、会社に損害を与えたとして、同社と株主が旧経営陣16人に損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は2017年4月27日、菊川剛元会長(76)ら6人(1人は死亡)に、総額約590億円をオリンパスに支払うよう命じた。

 

大竹昭彦裁判長は、損失隠しの影響でオリンパスが2007年3月期~2011年3月期に実施した中間、期末配当などは、実際に分配可能だった額を超えて実施されたと指摘。「配当議決に賛成しており、会社法に基づいて責任を負う」として、菊川元会長らの3人に、約586億円を支払うよう命じた。

疑惑発覚後の対応を誤ったり、虚偽の有価証券報告書を提出したなどとして、元取締役と元社長、亡くなった元社長1人の遺族にも賠償を命じた。

 

 

【企業の不正で巨額賠償を命じた主な判決】

①2000年9月(大阪地裁)

旧大和銀行(現りそな銀行)ニューヨーク支店の巨額損失で、役員ら11人に約829億円賠償命令(2001年12月、大阪高裁で和解)

 

②2008年4月(東京高裁)

仕手集団の恐喝に応じたことによる損害に関し、「蛇の目ミシン工業」旧経営陣5人に約583億円賠償命令(2008年10月、最高裁で確定)

 

③2012年6月(大阪地裁)

「石原産業」の不法投棄事件で、元役員らに約480億円賠償命令(2014年5月、大阪高裁で和解)

 

④2017年4月(東京地裁)

オリンパスの巨額損失隠しで、元役員6人(うち1人死去)に約590億円賠償命令

 

引用:中日新聞 朝刊 2017円4月28日



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