秘密漏えい 氷山の一角か ―企業で続発、中途退職者関与多く―
~弁護士北村明美(名古屋)の企業・悪徳商法コラム~
トヨタ自動車グループの「愛知製鋼」の営業秘密を漏らしたとして、愛知県警は、2017年2月23日、元役員と元社員の男2人を逮捕した。
企業の製品情報など、営業秘密の流出は近年、相次いで発覚している。
「明るみに出た事件は、氷山の一角」との指摘もあり、各企業は、営業秘密を漏らさない情報管理や社員教育の徹底を迫られている。
例えば、最近(2007年~2016年)の企業の秘密漏えい流出元の例は、
・デンソー 産業ロボの図面
・ニコン 可変光減衰器用部品
・三菱重工 原発プラントの設計情報など
・ヤマザキマザック 工作機械の図面情報
・新日鉄住金 方向性電磁鋼板技術
・ヨシツカ精機 エンジン部品プレス機の設計図
・東芝 フラッシュメモリーの製造技術
・日産 車の販売計画など
・日本ペイントホールディングス 塗料製品のデータ
などがある。
漏えいの多くは、「中途退職者による漏えい」とも指摘される。
経産省の2012年の調査によると、漏えい事案の5割強が、中途退職者によるものだった。
一方で、営業秘密の管理に積極的に取り組んでいる企業は多くなく、国は、各偉業に対し「秘密情報と開示してもいい情報とを区分し、秘密情報については厳重に管理すべきだ」と呼びかけている。
引用:中日新聞 夕刊 2017年2月23日
企業秘密の漏えいには、気をつけましょう!