すばらしい経営手腕~ノーベル生理学・医学賞受賞の大村智教授~
2016年08月24日 カテゴリー:企業問題
~弁護士北村明美(名古屋)の企業法務コラム~
ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智教授は、すばらしい経営者でもある。
よく、「研究バカ」といわれる学者の方がいるが、大村教授はひょうひょうとしておられるが、経営手腕がすばらしい。
エバーメクチンという動物薬の特許を1979年に取得してから、メルクというアメリカの製薬会社から、特許料という収入を、20年以上も北里研究所に入るようにしたとのことである。
その特許について、メルクは、初め、3億円ですべての権利をもらえないかと提案してきた。3億円は、教授が定年まで何の心配もなく、研究できるだけの金額であった。
しかし、大村智教授は、3億円をとらず、売り上げのうちのある比率を、メルクが北里研究所に支払う方式にすべきだと主張して、自説を通したのである。
エバーメクチンを改良したイベルメクチン動物薬は、世界の動物薬市場でトップの売上が20年間続き、得られた特許料収入の総額は、200億円あまりに達した。
さらに、大村智教授は、経営能力を発揮していく。
これは、日経新聞の朝刊の「私の履歴書」に書いてある。
弁護士北村は、毎日楽しみに、大村智教授の「私の履歴書」を読んでいます。