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コラム

カルテのないC型肝炎患者の闘い(19)

2016年03月01日 カテゴリー:C型肝炎給付金請求訴訟

C型肝硬変、肝がんの方の本人尋問

1.平成27年12月2日、急遽、原告の本人尋問が行われた。

命がいつまであるかわからないため、予定されていた放射線技師の証人尋問を次回にまわし、急遽本人尋問を行ってくれるよう、原告側から頼んだのであった。
この原告は、肝硬変が重く、肝がんも発症していて、いつ、昏睡状態になってもおかしくないと医師から診断されていた。
生きておられるのが不思議なくらいであった。
それでも、どうしても裁判官に聞いてもらいたいという、強い強い意志があった。
昭和47年3月7日に第1子をK産婦人科で、昭和49年10月11日に第2子を名古屋市立病院で出産したが、主治医は2人ともすでに亡くなり、K産婦人科の助産師が誰なのかもわからず、名古屋市立病院の助産師の行方もわからなかった。
そのため、原告本人が一番の証拠であり、付き添っていた夫が2番目の証拠だった。
原告は、肝硬変のため、アンモニアが脳にいっていて、舌が回らなくなっていた。
簡単なことは聞き取れるが、「1」が「2」のように聞こえたり、ただ「ワウワウワウ……」と言っているように聞こえたりした。
よって、代理人である私も打合せに苦慮し、筆談で少し行なうことができただけだった。
陳述書は、同居している第2子の二女の方に作成をお願いするしかなかった。
幸い、字を書くことができ、人が何を話しているのかが聞こえ、理解することができた。
そこで、本人尋問では、スケッチブックと、筆圧が弱くても書けるマジックの細ペンを用意して、聞き取れない場合は、スケッチブックに書いてもらうことにした。

2.そのような原告に対して、国代理人ら(検察官が判検交流で国の代理人である訟務検事となっていた。また、必ず医師資格を有する官僚が加わる。)は容赦なかった。微に入り細に入り、長時間にわたって、尋問してきた。

例えば、一部分だけ紹介すると、次の通りである。
国代理人:「気が付いたときは、もう個室に移された後だったというお話でしたね。先ほどの質
問に対するお答えで、気が付いたのが午後3時頃、3時過ぎだったというお話でした
か。」
原告:「はい。」
国代理人:「気が付いたときには、病室に旦那さんとお母さんがおられたということなんです
ね。」
原告:「はい。」
国代理人:「気が付いたとき、頭とか腕とか足とか、動かすことができましたか。」
原告:「・・・・・。」
国代理人:「記憶がないということですね。気が付いたときは、やはり点滴は打たれた状態だっ
たということなんですか。」
原告:「はい。」
国代理人:「その気が付いたときに打たれてた点滴というのは、何種類だったんですか。」
原告:「1種類。」
国代理人:「1種類。1種類のその点滴なんですが、何色の薬だったかというのは分かります
か。」
原告:「透明で。」
国代理人:「これも透明ですか。瓶に入ってたか。」
原告:「はい。」
国代理人:「その後、下から出血があって、看護師さんがひどいというふうな話をされてたと
いうことなんですが、そのとき、シーツが赤くぬれてたというお話でしたか。」
原告:「はい。」
国代理人:「ベッドのシーツについて、何回も取り替えたんですか。それとも、1回取り替えた
とか、その辺はどうですか。」
原告:「覚えてないけど。」
国代理人:「覚えてないの。」
原告:「はい。」
国代理人:「その後、お医者さんが、陳述書によると、胎盤剥がしたとこから出血してるん
だろうと言ったということが書かれているんですが、そういうふうな話をお医
者さんがされたんですか。」
原告:「はい。」
国代理人:「その後、お医者さんが看護師さんに止血剤を持ってきてという話をした
ということですね。」
原告:「はい。」
国代理人:「その後、10分くらいして小さい瓶を看護師さんが持ってこられ
ましたということでしたね。」
原告:「はい。」
国代理人:「それは、小さい瓶ということなんですが、確認ですが、大きさってどれくらいの
瓶なんですか。」
原告:「大きいのに比べたら、小さい。」
国代理人:「大きいのに比べたら小さかった。両手で今枠を作っておられて、大体15センチぐ
らいですかねと思うんですけど。」
裁判長:「両手の人差し指と親指で作った丸ぐらい。」
原告:「はい。」
国代理人:「ちょっと人によって違うんですけれどもね。」
原告ら代理人北村:「女の人だと10センチぐらい。」

以下次回へ続く。



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