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コラム

C型肝炎訴訟 感染のカルテなしで和解―弁護士 葦名ゆきさん

2017年02月23日 カテゴリー:C型肝炎給付金請求訴訟

~弁護士 北村明美のC型肝炎コラム~

 

静岡新聞、中日新聞の報道

 

「出産による出血で再入院した際にC型肝炎ウイルスに感染したとして、慢性肝炎の60代女性=浜松市=が国を相手取り損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が2017年2月20日までに静岡地裁浜松支部(上田賀代裁判長)であり、国が2千万円を支払うことで和解が成立した。入院先の火災で主治医は焼死、カルテは焼失していて、目立った証拠がない中で異例の和解成立となった。
口頭弁論は2月17日に行われた。訴状によると、女性は1974年に出産した際に出血が止まらず、新生児検診の際に医師から再入院を指示された。その際、血液製剤「フィブリノゲン」を投与された。2015年3月に提訴したものの、証拠調べを経て一時国が和解を拒んでいた。
2016年12月に裁判所は所見を示し、「他にC型肝炎ウイルスに感染する具体的原因が見当たらない」「客観的証拠がないことは、原告のせいではなく、原告に不利に解釈できない」と述べていた。
原告代理人葦名ゆき弁護士は「主治医の証言やカルテがない中での和解は全国でも極めて珍しい。カルテが廃棄されたため、提訴をあきらめている人にとって大きな希望になる」などと述べた。」

 

引用:静岡新聞 中日新聞 2017年2月21日

 

記事にある弁護士葦名ゆき先生に、お電話をして、話をきいた。

素晴らしい弁護士であるとともに、原告の方の熱意がすごい。

 

本件の原告さんは、主治医は火災で亡くなったが、当時そこで勤めていた若い医師を自分で探して、頼みこんで証人になってもらった。

また、本人も尋問に立ってきちんと証言した。

C型肝炎訴訟は、本人自身の熱意なくして、勝訴的和解はできない。

 

なお、先日、私が担当する原告も、ようやく和解ができた。(*名古屋訴訟で7件目の和解。追って詳しく報告する。)

 

母子手帳に「フィブリノーゲン1g」と記載してある、珍しい件である。

 

しかしその医師はすでに亡くなっておられたので、国は、その医師が書き入れたものであるかを疑ってきた。

そのため原告は、医師の筆跡だということを証明しなければならなかった。

その証明に、1年半もかかった。

 

国や製薬会社は、薬害被害者を一律に救済しようというC型肝炎特別措置法に反する訴訟対応ばかりしてくる。



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