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コラム

カルテのないC型肝炎患者の闘い(13)

2015年02月03日 カテゴリー:C型肝炎給付金請求訴訟

中立の証人医師をいじめないで

先日、京都地方裁判所で2人目の医師の証人尋問を行った。
T医師は、Y病院において、昭和55年、Hさんの胃がん摘出・膵臓一部切除の手術をした際、フィブリノゲン製剤を静注したと明確に証言された。 患者さんであったH氏は、すでにC型肝炎の肝がんで逝去されており、原告は、ご遺族である。

T医師がフィブリノゲン製剤を静注したことを明言したところ、国代理人や田辺三菱製薬㈱(元ミドリ十字)の代理人は、しつこく反対尋問を行った。

カルテがないのに、なぜ覚えているのか。

T医師は、「平成20年、Hさんが私を尋ねてきた。Hさんが入院保険金をもらうために、昭和56年に作成した診断書を持ってこられ、それを見て、記憶を喚起しました。 また、当時は、胃がんであることを患者には告知せず秘密にしたまま、手術しました。私は、胃がんであることが分かっていたので、 胃がんを摘出するつもりで開腹したが、膵臓に浸潤していることが分かり、膵臓の一部も切除し、腫瘍のある部位の周囲のリンパも取り除く拡大根治術という長時間の手術をしたのです。 出血量が400~500mlの多量であり(通常、胃がんのみ摘出の場合、50~100mlぐらいのことが多い)、輸血を600mlしたけれどもじわじわとした出血が止まらず、 止血のためにフィブリノゲン製剤を使用したので、よく覚えています。そして、フィブリノゲン製剤を3アンプル使ったという診断書を書いて差し上げたのです。」と証言された。

「フィブリノゲン製剤と止血はどちらが先か」「出血量より輸血量が多いのはおかしくないか」という趣旨の尋問もしてきた。

「出血量が500ml以上だからフィブリノゲン製剤を使用したのか」という尋問もした。
T医師は「出血量がメルクマールではなく、 低血圧になって輸血しても血圧が戻らずじわじわ出血し続ける時に使用する」と答えた。

さらに、「他の止血剤にはどんなものを使用したか」と尋問した。
T医師「ビタミンK、アドナ、トランサミン」などと答えた。

田辺三菱製薬㈱代理人は、「電気メスは使わなかったか。電気メスであれば切った部分からは出血しないはずだが」としつこくフィブリノゲン製剤を使わなくても止血できるのではないかと、尋問した。
T医師「切除には電気メスを使ったが、拡大根治術の場合、横隔膜から下の広い範囲でリンパを切除するので、広い範囲でじわじわ出血するため、使わざるを得なかった」と証言した。

 

しかし、あまりに同じような尋問をしつこく繰り返し行うため、83歳のT医師は疲れてきて、平成2○年というべきところを平成3○年と言う等、混乱してしまわれた。

国側と田辺三菱製薬㈱代理人は、証人医師を混乱させ信用性をおとしめることを狙ってしつこく尋問してくることがわかった。 田辺三菱製薬㈱代理人は、特にしつこく尋問して証人医師を混乱させたので、証人尋問が終わったとき、国側代理人が田辺三菱製薬㈱代理人に握手を求めていた。

とても嫌な感じであった。

本来なら、国側代理人と田辺三菱製薬㈱代理人は、被害者側に謝罪の気持ちをもって臨むべきものであるにもかかわらず、高齢の証人医師をいじめることがまるで使命であるかのように振る舞うのである。

 

しかし、この件は必ずや勝利できると確信している。医師は中立な証人だ。医師としてのプライドも高く患者が頼んだからといって患者に有利な嘘を言うことは決してない証人である。

高齢で持病も持っておられる証人医師に、もっと敬意を払い、短時間の反対尋問にすべきなのである。

 



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