あなたの慰謝料、いくら?
離婚の際に慰謝料を請求したいと思っても、どれくらい慰謝料をもらえるのか分からないという方が多いと思います。
適切な額の慰謝料を請求するためにも、まずは慰謝料に関する基本的な知識を備えておきましょう。
慰謝料とは
離婚の「慰謝料」とは、離婚によって被る精神的苦痛に対して支払われるお金のことです。精神的損害に対する賠償、という意味です。
慰謝料は、離婚の際に必ず支払われるものではありません。
離婚に至る原因を作った有責配偶者に対して、精神的苦痛を被った他方の配偶者が慰謝料の請求をすることができるものであり、離婚理由に多い「性格の不一致」や「価値観の相違」等のように、どちらかが一方的に悪いわけではない場合は、慰謝料の請求はできません。
例えば、相手が以下のような行為をした場合には、慰謝料請求が可能です。
- case1
- 浮気、不倫をした
- case2
- DV(ドメスティックバイオレンス=児童虐待、暴力を振う)をした
- case3
- モラハラ(モラルハラスメント=精神的な暴力)をした
- case4
- 生活費を渡さない
- case5
- 理由もないのに同居を拒否する
- case6
- セックスレスである
慰謝料請求のステップ
① まずははじめに「話し合い」を行いましょう
同居している場合
同居している場合、話しづらいかもしれませんが、直接慰謝料請求したい旨を伝えましょう。
そもそも慰謝料を支払ってくれるかを確認した上で、金額について話しましょう。
この時、希望する金額をきちんと伝えた方がよいでしょう。
別居している場合
別居している場合には、なかなか直接慰謝料について話をすることが難しいでしょう。
ですので、電話など記録の残らないものよりはメールなどで、証拠が残るようにして慰謝料を請求したい旨と金額を伝えましょう。
これに対して、話し合いに応じてくれない場合には、内容証明郵便というものを送付します。内容証明郵便とは、法的には通常の書面による請求と変わりません。
もっとも、郵便局が書面の内容を証明してくれることから、後々証拠として有効です。
② 話し合いでまとまらない場合は、民事訴訟または離婚調停となります
どうしても、話し合いでまとまらない場合は、民事事件または離婚調停を行います。
民事事件
通常の民事事件として地方裁判所または簡易裁判所に訴えを提起する方法です。
訴えを提起する裁判所は相手方の住所地の裁判所が基本です。
離婚調停
離婚の問題と同時に解決する方法で、この場合は、離婚調停を申し立てることとなります。
基本的に相手の住所地の家庭裁判所に夫婦関係調整申立書を提出することによって申し立てることができます。
その時、希望する金額を申立書に記載しておきましょう。
③ 離婚調停でもまとまらない場合は「離婚裁判」となります。
離婚調停がまとまらない場合は、離婚訴訟を起こすことになります。
離婚訴訟のなかで、離婚の問題と慰謝料についての問題の解決を目指します。
裁判離婚をするには離婚原因が必要です。
裁判によって離婚をするには、法律が定める離婚の原因(民法770条1項各号)が必要とされています。
- case1
- 相手に配偶者以外と性的関係を持つ「不貞行為」があった
- case2
- 相手に同居や夫婦生活の協力を拒否したり、扶養義務を怠ったなど「悪意の遺棄」があった
- case3
- 相手が3年以上「生死不明」である
- case4
- 相手に回復の見込みのない「強度の精神病」がある
- case5
- その他DVや長期間の別居、性格や性的な不一致等婚姻を継続しがたい「重大な事由」がある
※セックスレスは、「婚姻を継続しがたい重大な事由」にあたるとされています。
弁護士に依頼するメリット
離婚裁判は弁護士に必ず依頼しなければならないわけではありません。
しかし、調停のような話し合いの手続きと異なり、訴訟となれば法律の知識が必要になるので、弁護士に依頼することをおすすめします。
- merit1
- 必要な書面を作成してくれる
- merit2
- 弁護士の専門知識や経験で訴訟を進めてくれる
- merit3
- 代行に裁判所に行ってくれる