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コラム

2つの遺言

2018年12月27日 カテゴリー:コラム, 遺産相続

これまで複数回にわたり遺言について書いてきました。
今日考えてみたいのは、もし、2つの遺言書があった場合どのような結末となるのか
どちらの遺言書が有効となるのかについてみてみたいと思います。

結論から述べますと、原則として、一番日付の新しい遺言が有効となります。

しかし、例外的にそれぞれの遺言書の内容に矛盾や抵触が無ければ、
それぞれ有効なものとして取り扱われることとなります。

では、それぞれの遺言書の内容に矛盾や抵触が無い場合とは、
一体どんな場合をいうのでしょうか。

例えば、Aさんが亡くなり、Aさんの書斎から
「甲に当地建物を相続させる」と書いてあったとします。
その直後、Aさんのタンスから
「乙に預金を相続させる」と書いてあったとします。
この場合には、1通目の「土地建物」と2通目の「預金」とでは矛盾も抵触もしません。
ですので、どちらの遺言も有効となり、甲さんは土地建物を、乙さんは預金を相続できます。

逆に、それぞれの内容に矛盾や抵触がある場合には、
後に作成した遺言により、先に作成した遺言を撤回したものとみなされ、
一番新しいもののみが有効となります。

これは、遺言書の形式に関係なく、公正証書遺言より新しい日付の自筆証書遺言があれば、
自筆証書遺言のみが有効となるということです。

遺言書は1通だけにしておくほうが、のちのち紛争を防止することができるのかもしれませんね。



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